【進捗レポートVol.2】大阪・関西万博。屋根幕をバッグへと導く、緻密な裁断と「漉き」の技術。

こんにちは、SEALスタッフです。
前回のブログでは、大阪・関西万博「ルクセンブルクパビリオン」の解体現場から、屋根幕が素材として回収され大まかな裁断・洗浄をするまでの様子をお届けしました。
今回は、その素材がいよいよ大阪の工場へと運び込まれ、製品としての「形」を成していくための重要な工程についてレポートさせていただきます。
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【進捗レポートVol.1】大阪・関西万博 ルクセンブルクパビリオン。屋根幕の再利用プロジェクト、その裏側。
無駄を出さない。サイズに合わせた緻密な搬入
洗浄とおおまかな裁断を終えた屋根幕たちは、ついに大阪の製造拠点へと到着しました。
通常、建物の解体となるとその資材は「廃棄物」として処理されることが一般的です。そのため、解体の現場では効率を最優先し、細かな配慮なく裁断されてしまうことがほとんどです。 しかし、今回は「素材を再利用する」という大切な目的があります。
運び込まれた素材のサイズは実に様々です。大きなものは高さ130cmほどのロール状のものから、小さなものは20cm程度の端材まで、パビリオンの構造を物語るような多様なピースが並びます。
私たちの目的の一つとして、この貴重な素材を「余すことなく使い切る」ことがあります。どの部分をどのパーツに充てるか。パズルのように組み合わされる素材を前に、職人の方たちは一つ一つの生地の個性を慎重に見極めていきます。



一つひとつ、手仕事で進める「丁寧な切り出し」
現在、工場では手作業による裁断が進められ、初回ご予約分のほぼ全ての裁断が完了しています。
まず、大きな面積を確保できる生地からは、プロダクトの顔となる「ボストンバッグ」や「ワンショルダーバッグ」のメインパーツを切り出します。そして、その際に生まれる端の部分からも、ミニウォレットなどの小物や、バッグの細かな補強パーツを裁断していきます。


この工程で欠かせないのが、職人の目による徹底した素材のチェックです。「この場所なら、幕の質感が美しく出る」「ここは汚れが多くあるから、避けて小さなパーツにしよう」
一枚ごとに異なる汚れやダメージの状態を確認しながら、素材の良さを最大限に引き出すための丁寧な裁断を行っていく事。それは、機械には決して真似できない、素材への深い理解が必要な作業になります。


強度と美しさを両立させる「漉き(すき)」の工程
今回の屋根幕素材は、建築資材として使われていただけあり、非常に丈夫で硬いのが特徴です。
そのままではバッグとして縫い合わせる際に厚みが出すぎてしまい、美しいシルエットを作ることができません。そこで、生地の端を数ミリ単位で薄く削る「漉き(すき)」という特殊な加工を施します。
屋根幕で使われたフランス製「Serge Ferrari」の素材は様々な繊維が何層にも重なり出来ている素材です。中心部分には高い強度を持つ繊維が詰まっているため、その芯を傷つけず、表層のみを絶妙な加減で漉いていく。
この繊細な加工を施すことで、パビリオンの屋根膜としての圧倒的な強度はそのままに、日常使いに馴染むしなやかさと、SEALらしい洗練されたフォルムが実現します。


現在の進捗と、追加予約について
現在は、屋根幕だけでなく、組み合わせる本革やネームパーツの検品も並行して行い、いよいよ本格的な縫製作業へと入っております。
実際に大阪・関西万博で使われていた平面の幕が立体的なバッグへと姿を変えていく様子は、素材が新しい役割へと生まれ変わる、このプロジェクトの醍醐味とも言える瞬間です。


また、現在多くのお客様からのご要望を受け「追加ご予約注文」を承っております。
使える素材には限りがあるため、完売次第、本プロジェクトの受付は終了となります。万博の記憶を形に変えて持ち歩く。そんな特別な体験を、ぜひ手に取っていただければ幸いです。

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【進捗レポートVol.1】大阪・関西万博 ルクセンブルクパビリオン。屋根幕の再利用プロジェクト、その裏側。
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