【SEAL南堀江店】コラム・ECOとART~第2章~
2017年8月吉日
猛烈な勢力を放つ台風が去った大阪。ここにも猛烈な勢力で猛進する熱い男がいた。
こんにちは
SEAL南堀江店です。
前回、「チューブでアートを作る」と大胆不敵な発言から壮大な作品を作り上げた南堀江店の名物スタッフN氏。
その作品を世に知らしめ非常に大きな反響を呼んだ。
〚前回の作品のレトロカー〛
※前回の記事はこちら
留まることを知らない彼が二作目の制作に入るという情報を耳にし、我々は現場へ直行した。
20xx年
リサイクル、省エネなどエコブームは数年来尽きることはなく日々発展を遂げる。
SEALも大型自動車の廃タイヤからリサイクル(廃棄物の商品化)をコンセプトに日本の職人の高い技術から数々のバッグや財布、シューズなどが生み出されてきた。
そんなSEALを盛り上げてきた中のひとり、南堀江店の名物スタッフN氏
彼の知識や経験は非常に高く、堀江店オープン来のリピーターも数多く、支持や信頼もアツい。
この日の大阪は咽びくような記録的猛暑とともに不安定な大気のせいで激しく雨が降り続く。
現場につき、額の汗も引いた頃、彼は我々に今回の作品のアウトラインを下書きした用紙を見せてくれた。
「ここからスタートや」
フレーム、チェーン、細いスポーク・・・
・・・自転車だっ!!
前回よりも遥かに細部が多く、困難を極めるパーツが多い。
そんな今回の作品を前回よりも短時間で完成させるという。。。
これだけでも度肝を抜かれたのだが、彼は作品の大まかなイメージを脳内で想像し、それを擬態へと表現することができる。
通常切絵は、作品イメージを用紙に描き、アウトラインを作成する。そこから専用のカッターなどを使用して切り抜いていく。
そして彼の信念にしてコンセプトのひとつ。今回も使う道具は”ハサミ”のみだ。
もちろん専用のモノではなくどこにでもあるごく普通の”ハサミ”だ。
前作の経験を基に非常に円滑にチューブを切り込んでいく。
そして以前とは比べ物にならないほどの圧倒的速さで輪郭が出来上がる。まさに圧倒的だっ!
だが本当の闘いはここからだった。スポーク、細かなチェーンなど自動車よりも遥か精密なパーツが彼を苦しめる。
細く繋がったチューブはまさに首の皮一枚、まさに神業だろう。
そのとき!ステンレス製のハサミが落ちる音が部屋に響きわたる。
前回、酷使された彼の手。その代償は今も残る。古傷が開き彼を苦しめたのだ。
僅かな力加減で試される製作技術、その一瞬の過ちがすべてを無へと変えてしまうのだ。
そんな中、今まで口数の少なかった彼が重い口を開いた・・・
「お店はエンターテイメント性がないとな・・・」
痛みと苦しみの中、それでも何が彼を奮い立たせるのか、今それが分かった。
21世紀の今日、インターネットが全世界を網羅し、ネット社会が確立され、ショッピングはネットを駆使することは当たり前になった。
だが人々はそういった背景から実店舗に足を運ぶ機会が少なくなった。
ひと昔前には当たり前だったオフラインでのショッピング。
利便を極めるオンラインショッピングだがお金で買えないモノがある。
【実店舗では製品を購入するだけではない、”互いの信頼と信頼”を購入できる。】
人情の街大阪。
天下の台所と言われてきたほど商人の街だ。根っからの浪速の商人N氏は人情にアツい。
そんな比喩の中にも垣間見れる彼の強い想い。
我々に忘れかけていたそんな大事なことを改めて思い出させてくれた。
ひとは目に見えないことは忘れやすい生き物だ。しかし決して忘れてはならないことを彼は切絵というカタチで我々に示してくれた。
「完成や!!!」
窓の外を見るとさっきまで降り続いていた雨も止み、夕暮れの優しい光が店内を包む。
我々の心もどこか優しい光を取り戻した。そんな気がした。
筆者は今日もN氏と出会い、ひとつまた人間にされた。
とめどない感謝の意と共に、ここからの発展を強く願い、これからも筆を進めたいと思う。
筆者:SEAL南堀江店 Staff K
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